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お客様から、「障害年金をさかのぼって(遡及して)申請できるか?」とご質問いただくことがよくあります。発病してから数年が経過している場合、これまでの分はもらえないのか?と考えるのは当然のことです。
年金を受ける権利の時効は5年です。したがって、最大過去5年間分の障害年金を申請することが可能です。ただし、さかのぼっての申請にあたっていくつかのポイントがあります。今回は、さかのぼって(遡及して)の障害年金申請についてのポイントを解説いたします。
それでは、具体的に、さかのぼって(遡及して)障害年金を申請するためのポイントを解説します。
主に、以下のポイントがクリアできれば、障害年金をさかのぼって申請できるチャンスがあります。当社でも可能な限り、さかのぼっての障害年金申請をサポートさせていただきます。なお、前提として、障害認定日とは、
①初診日が18歳6ヶ月より後の場合
⇒「初診日から1年6ヶ月経過した日」
②初診日が18歳6ヶ月より前の場合
⇒「20歳の誕生日」
のことですので、覚えておいてくださいね。
遡及しての申請では、障害認定日時点での診断書を提出する必要があります。そのためには、原則として障害認定日から3ヶ月以内に受診しており、障害認定日の症状がわかる状態でなければなりません。
障害認定日から3ヶ月以内のどこかで受診をしていればいいのですが、受診そのものがないと、遡及しての申請が困難になります。
カルテの保存期間は、法律上、最終受診日から5年と義務づけられているため、それより前に遡る場合、カルテが破棄されてしまっている場合があります。その場合、その当時の障害の状態を確認することが不可能になりますので、遡及申請が難しくなってしまいます。
ただし、5年というのはあくまで法律上の話です。病院によっては、電子カルテによりそれより前のカルテが残っていることもありますので、病院に確認しましょう。
障害年金には、対象外となる傷病名があります。例えば精神疾患では神経症である「適応障害」「パニック障害」などは原則として支給対象外です。そのため、現在の診断名が「うつ病」であっても、障害認定日の診断名が「適応障害」であった場合、障害認定日の時点では障害年金の支給対象ではなかったと判断され、さかのぼっての受給は難しくなります。
そのため、障害認定日時点での診断名が何であったかは、注意する必要があります。
医師によっては、診断書作成に協力的でない場合があります。障害認定日から3ヶ月以内に受診し、カルテが残っており、診断名が障害年金の対象であった場合でも、診断書を書いてくれないと申請は不可能となってしまいます。
よって、当時のカルテが残っている場合でも、診断書作成に協力いただけるか、確認する必要があります。
精神疾患の場合、働いていると障害年金の審査に影響がある場合があります。特に厚生年金に加入している場合は、国は就労している会社や給与額などを確認することができるので、場合によっては「働けている状態でなので軽症」と判断されてしまうことがあります。そのため、障害認定日、またはそれ以降に働いていると、審査に不利に働くことがあります。
特に精神疾患においては、障害認定日時点で働いていると、実際にはさかのぼっての申請が困難になるケースが多くなりますので、ご注意ください。
以上、5つのポイントを解説させていただきました。
上記においては、さかのぼって(遡及して)の申請全般の解説をしましたが、脳梗塞や交通事故など、肢体(手足)の傷病の場合は、遡及申請がやや難しい傾向があります。その理由は下記のケースが多いためです。
※ここでは一般的な話で記載しましたが、もちろん、肢体(手足)での傷病の場合でも、遡及申請ができるケースもあります。ご質問などがあればお問い合わせください。
肢体(手足)の傷病の場合、障害認定日時点では、障害年金をもらえるほどの状態にまで悪化していないケースが一定数あります。そのため、さかのぼって(遡及して)の申請が困難になり、今後の分のみの申請になるケースが一定数あります。
障害認定日の時点では症状が軽かったものの、それ以降、症状が悪化してしまった場合は、無理をせず今後の分のみの申請をしましょう。
肢体(手足)の診断書の必須項目には、計測が必要な項目があります。この計測は現時点でのものではなく、原則として障害認定日より3ヶ月以内に計測していることが必要です。
この計測を行っていなかった場合、必須項目が記載できないことになりますので、障害認定日の診断書を取得することが不可能となってしまいます。
こういった場合、残念ながら今後の分のみの障害年金申請になります。
以上、遡及申請についてのポイントを記載しました。
当社にサポートをお任せいただければ、これらのポイントを念頭に情報を整理し、遡及申請が可能かどうか、また困難に見えるケースでも申請できる可能性は残っていないか、これまで培ってきた知識と経験で依頼者の方をサポートいたします。
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