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ここでは、「障害年金の申請は、具体的に何が難しいか?」を解説します。
障害年金申請は、日本年金機構または市区町村役場など公的機関にするものです。
一般的に、役所にする手続きといえば、
・住所変更手続き
・住民票の取得手続き
・会社の健康保険から国民健康保険への切り替え
・結婚時の入籍手続き
などがあります。これらは難しいイメージはなく、「役所の担当者の言う通りに書類を書いて終わり」ということになります。
ところが、障害年金に関しては、「役所の担当者の言う通りに書類を書いて終わり」とは大違いなのです。なぜ、そのようなことになるのでしょうか?
まず、障害年金を申請する上では、その傷病での「初診日」を証明する必要があります。これが、障害年金申請のための第一歩です。
この「初診日の証明」ですが、上記リンク先のように、証明が困難なケースが多々あります。
・初診日が5年より前で、病院のカルテが破棄された
・そもそも、初診日がいつか本人が覚えていない
・受診内容から、どの日の受診が初診日になるのか微妙
などの場合、一気に、「どうすればいいのか分からない」という状況になります。
さらに、ご自分で年金事務所に行く場合、年金事務所の職員は、「初診日がいつか」「発病した当時の状況」などを詳しく質問します。これらの内容は、年金事務所のデータベースに登録され、一生、相談内容として残ることになります。
相談者が自分で初診日をはっきり覚えていない場合、記憶が曖昧なまま初診日のことを答えてしまう方がいらっしゃいますが、これは好ましくありません。
以前、当事務所のお客様で、糖尿病性網膜症で障害年金を申請する方がいらっしゃいました。
ご自分で年金事務所に行った際、「糖尿病で初めて病院に行ったのは・・約20年前のA病院です。」と事実と異なることを答えてしまったのです。もちろん、年金事務所のデータベースでは、この相談内容が登録・保存されます。
後々、よく思い出してみると、A病院は別の傷病で受診しただけで、糖尿病では受診していませんでした。しかし、年金事務所のデータベース上では「糖尿病でA病院を受診、初診日はこの病院」と記録されています。後日、本人は記憶違いだと言いましたが、年金事務所はそれを認めず、「A病院で初診日の証明書を取得してきてください」という対応でした。
糖尿病でA病院は受診していないのですが、曖昧な記憶で間違ったことを答えてしまったため、あたかも「糖尿病でA病院を受診」したことが事実かのような扱いになってしまいました。当然のことながら、A病院で糖尿病の診察を受けたことなど証明してもらえるはずがありません。そのため、この方は「初診日の証明ができない」となり、障害年金申請を断念してしまいました。
全てがこのようなケースになるわけではありませんが、気軽に年金事務所に相談してしまうと、取り返しのつかないことになるケースもあるのです。
また、初診日の証明のほかに、障害年金申請の重要項目として、診断書の内容があります。
通常、診断書のイメージとしては、「医師が時間をかけて入念に作成するもので、間違いなどあり得ない」というものがあると思います。
ところが、障害年金の診断書に関しては、記載項目も多く、間違い・不備が多いのが実態です。当事務所の感覚では、出来上がった診断書のうち、7割くらいは修正が必要となっています。ひどい例だと、診断書全体のうち、住所と氏名以外はすべて不適切な内容、というものさえあります。
詳しい不備の内容は割愛させていただきますが、診断書が不適切に記載されているケースが多く、これをそのまま提出すると、間違いなく審査が不当に不利に進むものが多くなっています。
そのあたりの見極めは、一般の方は難しいと思われます。「どのような診断書が適切なのか」という観点を持っていないからです。さらに、「まさか診断書に不備などないだろう」などの気持ちもあり、診断書をチェックするという発想すらない方も多いです。そのため、ご自分で障害年金申請を進める方は、知らず知らずのうちに自分の首を絞めていることがあります。このように、診断書のチェックについても、障害年金専門の社会保険労務士のノウハウが必要となってきます。
診断書は、ただ単に提出すればいいのではなく、「適切な診断書を提出する」ということが何より大事なのです。診断書は、障害等級を決定する重要な資料だからです。
また、初診日の証明書や診断書のほかに、発病から現在までの経過を記載する「病歴・就労状況等申立書」という書類があります。用紙につきましては、以下からダウンロードできます。
こちらの用紙ですが、皆様が初めて目にするものと思います。用紙には、以下のことが記載されています。
○発病してから現在までの経過を書く
○通院期間、受診回数、入院期間等を書く
○日常生活、就労状況を等を書く
・・・など、詳しく記載するようにと書いてあります。
当然ですが、皆様が初めて目にする書類なので、「どのように書いたらよいか」というイメージが沸かないと思います。年金事務所の職員に聞いても、添削してくれるわけではなく、書いたことのない人は途方に暮れる方も多くいらっしゃいます。あるお客様は、これを書くのに時間がかかり、準備してから完成まで1年間!かかった方がいらっしゃいます。
またこの書類ですが、当然、審査資料として取り扱われます。この書類の内容が不適切なものであったため、障害年金が不支給になることも多くあります。病歴・就労状況等申立書は、「書いたほうがいいこと」「書くと不利になること」などのポイントが多くあります。それらのポイントをおさえて書かないと、審査が不当に不利に進むことになります。当事務所でも、「自分で書いてみました」というお客様の書類を拝見すると、例外なく不適切な内容になっています。当事務所では、審査が不当に不利に進むことがないよう、お客様の代理で書類を作成しますが、この部分については社会保険労務士事務所の腕の見せ所といえるでしょう。
以上、障害年金申請について難しい点を記載させていただきました。ここでは記載しきれませんでしたが、これ以外でも、ご自分での障害年金申請が困難な点もたくさんあります。
障害年金申請は、誰もが初めて行うものです。そのため、「申請に慣れる」ということがありません。一発勝負という側面を持つため、初めの申請を不適切に進めてしまうと、思わぬ落とし穴に落ちることがあります。
私たちは、皆様の障害年金申請がスムーズに進むように、適切な書類作成・申請を進めさせていただきます。当事務所のサービスにより、お客様の負担が軽減され、障害年金受給というよい結果になるように、日々研鑽を続けています。
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